長椅子の上に放置された財布。
たぶん、本人が戻ってくるだろうし、盗む人だっていないだろう。
でも、財布が太陽の光を浴びていること自体がとても奇妙だった。
だから、持ち主が戻って来ないか5分だけ様子を見た後で、遺失物として学生課に届けた。
届け終えて戻ってみると、長椅子のそばに挙動不審な人がいた。
あちゃー。
My fatherの話。
若い頃に、フェリー埠頭で万札がたくさん入ったクラッチバッグを拾ったらしい。交番に届けると、後日警察から連絡が来て、持ち主が感謝の意を伝えたいのでぜひ会いたいとのこと。
いざ待ち合わせの喫茶店に入ると、若いあんちゃん2人を連れたヤクザのおじさんが待っていたらしい。
そのおじさんは「素晴らしい青年だ。君みたいな(以下略)」と褒めちぎったが、My fatherは終始びびっていたとさ。