塾講師のバイト

塾講師のバイトが終わった。これまで、一切バイトについて触れてこなかったが、もう終わったので書ける範囲で書く。

大学1年生の6月下旬、居酒屋のバイトの面接で3回も落とされたので、諦めて塾講師をすることにした。

ネクタイが結べず面接の時間に1分遅刻した。ありきたりな質問に対して意味の分からない答えを連発したが、来るものは拒まずらしく、普通に採用してもらった。

あまり人と接してこなかったからか、生徒に「先生って変だよね」と何度も言われた。変じゃないからと強く言い返した。

生徒の中に面倒なのがいた。勉強する気はなく、ただ騒いでいた。彼女の話を聞くと家庭環境が悪かった。一方的に自分の価値観を押し付ける親だった。

親にいくつもの塾に通わせられている子もいたが、その子は素直で快活だった。

結局は親にどれだけ愛されているのかなのだと思った。いつも授業を受け持つたびに彼女をかわいそうだと思った。親のせいにしてはいけないというが、彼女が苦しいのは親のせいだと僕は思う。

やんちゃな少年がいた。彼は憎めない奴だった。色んな話を聞いたが、その中で一番のお気に入りを書く。

彼の中学校には読書タイムがあり、朝に15分ほど読書するらしい。その日、読書タイムの静かな教室で嗚咽する声が聞こえてきた。彼の友達が『はだしのゲン』を読んで涙をこらえきれなくなったのだ。

彼が号泣するから、あまりにも気になった彼も『はだしのゲン』を読んだらしい。僕に「あれめっちゃ泣けるよ」と言っていた。

可愛いすぎるよ。

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